今回は、病院でレイノー病と診断された指の症状をお持ちの患者様です。
症状は、人差し指の痺れ蚊感と、時折痛みや重だるさがあります。
そして夜になると冷えるという事や、冷やすと増悪するという事でレイノー病と診断されたものと思われます。
レイノー病とは。
主に寒冷刺激などで四肢末端に痺れなど感覚異常が生じたり冷たくなります。
冷えや感覚異常の他に、痛みが出る場合もあります。
「寒冷刺激」とはあるものの、膠原病で起こることもあります。
詳しくは原因不明と言われています。
施術方針。
血管拡張が主な施術方針です。
まずは指の末端から神経の走行に沿って刺激を加え、周囲の毛細血管を開かせる手技を行いました。
赤くなるフレアー現象が起こったことが確認できたので、毛細血管は開いていると思われます。
施術により割とすぐに症状は消失しました。
次に、超音波治療器を当てました。
超音波は、細胞を振動させることで温熱刺激を加えることが出来ます。
これを行うと調子がいいとの事。
施術直後はいいけど、症状が戻る。
後日、経過をお聞きしたら、施術により二、三日は調子が良いけどまた違和感が出てきたとの事…。
温熱刺激が効果的と判断して今度はマイクロ波を当てました。
マイクロ波は電磁波で細胞に摩擦を生じさせて熱を生む仕組みです。
奥まで暖める事が出来て、遠赤外線と比べて温熱効果が持続しやすいです。
これもそれなりには楽になったけれど、時間経過と共に指の違和感がでるとのことでした…。
指の痺れや感覚異常という事で頚椎症など首からきているのかとも思いました。
しかし、頚の症状は全くなくてスパーリング、ジャクソンテストなども陰性でした。
これは、温めつつ指の神経血管に対するアプローチを定期的に行っていって3カ月くらいは様子見かなと思っていました。
神経症状は3カ月でみる。
どのような施術も慢性の症状の場合、特に神経症状が出ている場合は3カ月を目安にまずは考えます。
傷ついた末梢神経を包む髄鞘の回復には、それくらいの日数が要されるのです。
3カ月かけて徐々に症状に変化又は改善が見られるようであれば改善する可能性は大いにあります。
でも、3カ月たってもなんの変化もなければ非可逆的な変性が神経に起きている場合があります。そうなると症状回復は困難になります。
神経は、たまねぎのように何層にもなっています。
外側が痛む分には治りやすいですが、中心に行くほど一度傷ついたら回復が難しいのです。
症状改善に導いた意外な方法。
まだ今回の患者様は指の症状が気になりだしてそこまで時間は経っていません。
なので、少しでも症状改善された施術は続行しながら、ある療法をご自宅で取り入れてもらいました。
それは塩水補水法です。
これは症状が改善しにくく、施術効果が出にくい時に用いる事があります。
痛んでいる細胞組織の慢性的な血流不足と脱水に対して、0.2%濃度の塩水でそれを補うという一つの考え方です。
概要を細かく書くと長くなるので省きますが、電解質が豊富な岩塩2gを2リットルの水に入れて毎日飲むというものです。
こちらは僕の師匠である脳神経外科医の長田先生に教わった方法で、その他内科医の内海聡先生も推奨しており、本も出しています。
長田先生のクリニックでは、高血圧症や不整脈、変形性膝関節症、レイノー症候群、その他様々な症状や疾患に効果があったという症例報告があります。
なので、0.2%濃度の食塩水を作って飲んでもらうようお伝え致しました。
塩水補水法で細胞が元気になった?
その後、次の日くらいから指の症状の戻りが少なくなり、気にならなくなったとの事でした。
細胞が痛むとそのリカバリーの為に、周辺の細胞から電解質と水分を分けてもらいます。
それでもたりなければ、血管の血液から痛んで不足した物質物質や水分を引っ張ってきます。
これが続くと、痛んだ細胞のまわりは常に細胞レベルの脱水と血流不足状態に陥ります。
これこそが、慢性症状に繋がるのです。
そこで、痛んだ細胞に水分とミネラルを十分に行き渡らせるために、塩水補水法をおこなうのです。
細胞液に近い濃度で、ミネラルが豊富に含まれている岩塩を用いるのがポイントです。
こちらを取り入れたのは割と最近ですので、経過を追ってまた症例報告したいと思います。
鍼や整体、無血刺絡は手の痺れや痛みに効果的です。辛い方は是非、神楽坂東五軒町鍼灸整骨へお越しください。
