最初に書いておくが、「極論」とは力を尽くして徹底的に論ずること及び、極端に偏った理論。という意味だ。
「ダイエットしたいけどできない、どうすればいいか」というハウツーや、ダイエットの需要はいつの世にも事欠かない。特に人類が飢餓との戦いに終止符を打ち、比較的安定した食料供給がなされる「飽食の時代」に突入した近代以降、この話題が尽きる事はない。
一般的にダイエットというと、高脂質、高糖質の食事を控えめにして、吸収した栄養の余剰分を運動で消費するというのが大前提となる。この基本方針は、ヒト科の人族である我々ホモサピエンスに、今の外骨格と内臓、内分泌システムが備った瞬間から、そしてその肉体を持ち続ける限り不変である。「出るものより入るものの方が多ければ太る」。単純なことである。※病気による肥満は除く。
しかし、理屈では分かっていてもダイエットを実行する際、理性と欲望が邪魔をして自制が利かなくなり、「適切な食事による栄養摂取と運動」という単純なルーティンがうまく遂行されずに失敗するケースは多い。どうしても高脂質、高糖質なものをお腹いっぱい食べたいし、間食もしたければ、運動をせずに楽がしたい。その欲望に勝てないのだ。
ここに関しては、何を食べてもよい「チートデイ」を定期的に設けるとか、トレーナーに食事の写真や献立を毎日送るなどして他者に強制的に追い込んでもらう方法とか、ストレスからくる過食の場合はメンタルトレーニングやカウンセリングなど様々な方策があるだろう。
そこで、僕が考えるダイエットを成功に導くための「自制」の方法を紹介する。それは、極論だが「高級時計」を買うという事だ(笑)
これは個人的な極論であるため、参考程度に見て欲しい。※僕自身実際に試したわけではない。
どういうことかというと、そもそもなぜ高糖質、高脂質なものを高頻度にたくさん食べれるのか、それはお金があるからに他ならない。生活ギリギリのラインを設定して、そのギリギリでローンを組む、もしくは資金を投じて「高級時計」を買うと良い。そうすればお金がなくなり、食べたくても必要最低限の食事しか強制的に摂れなくなる。
これは暴論のように見えるかもしれないが、多方面から見てそこそこ理にかなってるし、メリットが多い。
まず食事だが、お金がないので外食、コンビニ弁当やお惣菜を買うとかは一切できない。酒たばこもだめ。なので例えば、27円のもやしと99円の乾燥わかめを買ってきてそれを和え物にするとか、38円の豆腐と98円で買った大根と99円の納豆など。お肉などもちゃんとスーパーで値段を吟味して購入し、栄養を考えながら料理をするのだ。99円で買った大根も、おろしにしたりして3~4回分使える。納豆も3個入って99円くらいだ。米を研いだことがないという方もいるだろうが、炊飯器を買って米を家で炊くようにする。※炭水化物は糖質になるため食べすぎに注意。
自炊をするようになると、生活にメリハリがでてくるし、運動量も必然的に増える。その調子で昼のお弁当も自分で作る。面倒ならばレタスとハムを挟んだサンドウィッチを作るだけでもいいではないか。お茶は絶対に外では買わず、家で作って水筒に入れていく。貧乏ったらしいと思うかもしれないが、外での買い食いや添加物だらけのコンビニ弁当を買ったり晩酌をしていた食生活と比べるとはるかに身体によい健全な日々を送ることが出来るはずだ。
買い食い、外食、ファーストフード、飲酒など、まずはここを金銭的に制限して、強制的に自炊するというのが、この「高級時計ダイエット」の肝となる。「食べなければ痩せる」ではなく、安価で栄養がきちんと取れる食物を毎日規則正しく自炊で作るという事に意義がある。是非、一円でも安い食材を近所のスーパーを駆けずり回って探して買いに行ってもらいたい。これだけでも相当な運動量になる。
次に、ダイエットの目的は何かと考えた時に、大抵の方は理想の体を手に入れるためと答えるだろう。
高級な腕時計を身に付けることで、絶対にこの時計に見合う体形になるぞ!というモチベーションが上がるはずだ。高級時計にはスーツ、上品な洋服、身体のラインが綺麗に出る服などが良く似合う。どんな体型の方でも着れる適当なだぶだぶのスウェットは似合わないだろう。中にはラフな格好で高級時計をしている芸能人やお金持ちもいるだろうが、そういう人達はフォーマルを着こなす器量と体型を持っていてあえてラフな服装をしていると思う。(肥満のお金持ちはこの場合捨て置く)
よい洋服、もっとも和服でもよいが「着こなし」というものがある。質の良い服を着た時に、身体のラインや姿勢の良しあし、筋肉の有無が表れる。高級時計を身に付けるのならば、ただウエイトを落とすだけではなく、美しい姿勢とそれなりの筋肉をつけたくなるものだ。
男の方ならば、007のジェームズボンドを思い浮かべると良い。鋼のように引き締まった筋肉、トムフォードのスーツにオメガ。これ以上説明は不要だろう。
三つめに、腕時計は基本的に肌身離さずいつも付けているため、身体とほぼ一心同体で常に意識する。汚したりぶつけて傷つけたりしないようにとても気を使うだろう。それだけでも体の使い方、歩き方を意識するし、なによりこの時計と一緒にどこかへ出かけたいと、外に出たいと思うようにきっとなるだろう。
時計は時を刻む。ダイエット前の非理想的な体型の時も、ダイエットに成功した理想的な体型の時も変わらず一緒に時を過ごし、辛い時も嬉しい時も、時計はその歴史を刻み続ける。物理的に死ぬまで一緒にいられる。たとえ毎月赤字ギリギリのローンを組んで購入した時計だとしても、人生80年と考え、この先死ぬまで使い続けるならばむしろ安い買い物といえる。
最後に、高級時計は物によってリセールの需要が高い物もある。上手くいけば買った時よりも将来、売却時に値が上がる可能性があるので資産として所有するのもありだ。
この、「高級時計ダイエット法」のよいところは、最悪、ダイエットが上手くいかなくても価値あるものが手元に残るということだ。それを売るもよし、宝物にするもよし。いずれにせよ、生活を破綻させずに高額商品を購入して支払いを全て終える事が出来たならばそれはそれで一つの成功体験となる。「やればできる」という自信が付けば、きっと次こそは自分に負けずダイエットに成功するはずだ。
…追伸。一応書いておくが、これは「強制的に食べ物を買えない状態に金銭的な制限をかける」という僕が思う極論であり、しっかりと人数を揃えて検証して結果を出したわけではない、いわば机上の空論である。そのため重ね重ねになるが、どうかくれぐれも参考程度に見て欲しい。これを実践するには「ある程度の精神力」と、「返済を滞らせないという責任感」と、「少ない資金でやりくりするというお金のバランス感覚」が必要となる。決して全員に当てはまるダイエット法ではない。毎月常に、赤字と背中合わせの状態で決してそのラインを割らないというプレッシャーが良い方向へ働いたもののみが成功するダイエット法だ。一般論として、高額商品の購入は身の丈に合わせ、キャッシュフローがどれだけ潤沢かというところで慎重に判断せねばならない。もしも実践するならばゆめゆめ注意して、マネーリテラシーを持って慎重に検討して欲しい。