消化管疾患シリーズ。潰瘍性大腸炎との鑑別が大事!クローン病について。

皆様こんにちは。

今日は、クローン病について書いていきます。

 

クローン病とは、腹痛、発熱、体重減少、下痢、血便を呈し消化管壁の全層の炎症を起こす、慢性の炎症性腸疾患と定義されています。

若年者に多く発症し、2対1で男性に多いです。この疾患は近年増加傾向にあるようです。

 

原因は不明です。一応、細菌感染、ウイルス感染、免疫機能低下などが考えられますがよくわかっていないようです。

しかし、最近では関連する遺伝子異常などが見つかってきており、環境要因と遺伝要因の二つが関係している可能性が高いとされています。

 

病態生理として、主に回腸末端から大腸に好発しますが、舌から肛門部まで消化管のあらゆる部位に病変がみられ、消化管壁の全層の炎症を起こします。

潰瘍性大腸炎は、主に※大腸の粘膜、粘膜下層に起きる※連続した炎症が特徴です。

一方クローン病は、※消化管壁全層に起きる※局所的な炎症が特徴です。

進行性で、腸管の狭窄や瘻孔(瘻孔とは、穴があく穿孔とちがって痔瘻のように通常無い部分に通り道ができてしまうことです)を作ることがあります。

潰瘍性大腸炎と同様に、※口腔内アフタ、ブドウ膜炎、結節性紅斑、強直性脊椎炎などの消化管以外の症状もあらわれる事もあります。

 

症状は、軽い腹痛、下痢を呈するものから発熱、血便をきたすものまであります。

虫垂炎の時のような症状になる時もあります。※経過が長引くと、腸管狭窄によるイレウス(腸閉塞)を起こすことがあります。貧血、低たんぱくなどの低栄養症状があらわれてくると注意が必要です。

 

診断は、上記症状を基に下部消化管透視検査、内視鏡検査を行います。

クローン病に特徴的な所見、※縦走潰瘍、敷石状病変、非連続性病変、内外瘻孔の有無を確認します。

 

生検組織所見では、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫があるかも確認します。これは簡単に言うと人体の防御免疫反応です。

悪い物を無害化しようとしているのです。

※非(それとは異なる)乾酪性(チーズのような見た目)類上皮細胞(上皮細胞に似た)肉芽腫(悪い物を包み無害化するもの)

なので、乾酪性ではない類上皮細胞肉芽腫ということになります。結核菌などの悪い細菌を取り込んでその細菌が壊死した際にチーズのような見た目になるのです。

今回の非乾酪性は、壊死を伴わないです(チーズのようにならない)。なぜならクローン病は、結核菌など細菌感染で起こるものではないからです。

 

治療方針は、根治療法が今のところないので薬物投与により症状の軽減を図り、栄養状態を改善して生活の質を向上させるのが目的です。

難治例で、高度の狭窄、穿孔、膿瘍、大出血がある場合は外科的手術となります。しかし、病変部位を切除してもその後に他の部位で新たな病変が現れる可能性が高いので、安易に手術をすることは避け無くいてはいけません。

 

クローン病の症状の経過は長期にわたりますので、栄養面、心理面、社会生活面のケアとサポートが必要です。

 

神楽坂 東五軒町鍼灸整骨院より

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