消化管疾患シリーズ。下腹部痛があり、お腹を押して離すと痛い、虫垂炎について。

皆様こんにちは。

今日は、虫垂炎について書いていきます。

 

虫垂とは、小腸の後半部(回腸)が大腸につながる部分に開口する小指大の盲嚢(ふくろのような所)です。

この虫垂に化膿性炎症を起こしたものが、虫垂炎といわれます。「盲腸」はその俗称です。

 

疫学としては、若年者に多いですがすべての年齢で発症します。

以前はお腹を切り開く外科手術で取り除いてましたが最近では体にあまり負担がかからない、腹腔鏡手術で取り除くそうです。その他、抗生物質や抗菌薬の早期投与により炎症を散らしてだんだん治していくという方法もあるようです。

 

虫垂炎を発症する元々の原因は明らかにされていません。食物残渣説、寄生虫迷入説、アレルギー説など諸説ありますが、最終的にはなんらかの細菌感染により発症します。なので抗生物質が効くのです。

起炎菌としては、グラム陰性桿菌の腸内感染が一番多いようです。

 

症状として、初期は上腹部痛がみられます。そしてしばしば吐き気や嘔吐を伴います。炎症を起こした虫垂を大網が覆うために、大網が伸展されて生じるものと考えています。そして痛みは次第に右下腹部に限局し、多くは発熱を伴います。

 

診断法は、触診が大切になります。

※右下腹部のマックバーネー点(上前腸骨棘とおへそを結んだ線上の、上前腸骨棘よりの三分の一の位置)

※下腹部中央近くのランツ点(左右の上前腸骨棘を結んだ右側三分の一の位置)

この二つに圧痛があります。

 

その他

※ブルンべルグ徴候 反跳痛(お腹を圧迫していた手を離すと痛みが増強する現象)

※筋性防御(手で圧迫していくとある時点で急に腹筋に力が入る現象)

などの反応がみられます。

 

ちなみに筋性防御に関して言わせて頂きますと、たまに整体院とか整骨院の人間が体の固い患者さんに筋性防御とかいう場合がありますが、全くの間違いです!!勉強不足です。

お腹の臓器を包む腹腔内に炎症が起こることにより硬くなるのです。それ以外で、ましてや肩こりや腰こりなどでは筋性防御は起こりません!!

 

※炎症が起きているので、血液検査では炎症反応(白血球数増加、CRP陽性、血沈亢進)がみられます。

 

虫垂炎では、クローン病や憩室炎との鑑別が必要になります。女性の場合はさらに付属器炎(卵管炎、卵巣炎)、卵巣捻転、子宮外妊娠なども慎重に除外する必要があります。

最近では超音波検査で虫垂の観察ができるようになったようになり、虫垂の浮腫化、液体(膿汁)貯留の有無から虫垂炎を診断できるようになりました。

 

予後は良好ですが、穿孔(虫垂に穴が開く)と細菌が腹腔内に出てしまい、腹膜炎を起こします。

治療で、痛み止めや抗炎症薬を用いる事がありますが、症状が緩和することにより診断治療が遅れる事がありますので注意が必要です。

 

 

神楽坂 東五軒町鍼灸整骨院より

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