動かすと痛い症状改善集。腰の慢性的な痛みに対する「響を与える鍼」。

腰が慢性的に辛いという方は非常に多いです。

デスクワークの方、子育てをされている方、中腰姿勢が多い方、脊柱に何らかの疾患がある方など。

今回の症例は、普段デスクワークのお仕事で子育てもされていて慢性的に腰が辛いという方です。

常に腰が痛くて動かさなくても違和感があるような状態で、腰臀部下肢をほぐしたり、体軸調整、俺式等尺性収縮法、無血刺絡を行ってもあまり効果が見られませんでした。

それで、「響きを与える鍼」を腰と臀部に行いました。

結論から申しますと今回の症例に対しては「響きを与える鍼」が一番効果的だったのですが、この「響き」とはなにかについて説明します。

鍼を刺した時に、皮下にある侵害受容器という特殊なセンサーがあるのですがそこに鍼が当たると「ずーーん」、「ジワーーー」というような独特な感覚が得られます。これが「響き」です。

鍼が侵害受容器に当たって軸索反射という特殊な反応が起こることで、血流促進がなされて発痛物質の除去作用が起こったり、内因性モルヒネ様物質(鎮痛物質)が分泌されて痛みの抑制作用などがおこります。さらに、「響き」を得るための侵害受容器とは「ポリモーダル受容器」という受容器に限られて、ここが興奮することで痛みの抑制だけではなくて、自律神経系、内分泌系、免疫系にも影響を与えると「はり灸理論」の教科書には記載されています。

しかし、以前のブログでも再三書かせて頂いてますが皮膚表面の刺激でも軸索反射は起こるしポリモーダル受容器は興奮しますし、別に響きを与えなくても無血刺絡の理論上、自律神経系、内分泌系、免疫系にも影響を与える事は出来ます。

…であれば、皮膚表面の無血刺絡でも効果は出るはずなのに今回の患者様は無血刺絡では効果は全くありませんでした。なぜ、鍼で「響き」を与える事で症状が劇的に楽になったのか?これは…正直わかりません。たぶんこれこそが「鍼」の「東洋医学」の神秘的なものなのかもしれません…。

ただひとつ言える事は、「ずーーーん」という「響く」感覚とは鍼を使わないと絶対に人間は経験できない感覚です。その特殊な感覚は鍼を刺してセンサーに触れた瞬間にきますので、いきなり来ることもあればすぐに来ないこともあります。なので、今か今かと緊張して「響」を待っていてずーーんと響く事で患者様は「きたーーー」と思われるわけです。

通常施術や無血刺絡と「響かす鍼」の相違点で言うと

1 他にはない、「ずーーん」という特別な感覚であるという事。

2 鍼を刺してもらわないと絶対に得られない刺激である。つまり刺激に希少性がある。

3 「響きが来る」というように患者様が多少緊張して待ち構える事でより強く集中して患部を意識する。

これらがせいぜい他の施術と違う事ですかね。なのでもしかすると、「響き」がないと施術効果が感じられないというのは患者様の「意識」「気持ち」「思い」といったところで変わってくるのかもしれません。

神楽坂 東五軒町鍼灸整骨院より。

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