動かすと痛い症状改善集。朝起きた時の腰の痛み。

「今は痛くないんだけれど、朝起きた時が痛くてね…」このような症状を経験された方もいらっしゃると思います。

このような場合、睡眠中は体温調整が難しく汗をかいて体が冷えている、その上睡眠中は動いていないので硬くなって血の巡りが悪くなり痛みが出る、さらにその背景に、変形性腰椎症や椎間板症、普段腰に負荷がかかる仕事をしているなどの器質的および生活的要因があって症状が出るのではないかと考えられます。

この症状で頭を捻る点が、朝痛いけど今は全然痛くないという、「こうするとここが痛い」という評価が来院時にできないという点です。

朝だけ痛くて、そこを過ぎると全く痛くない。確固たる症状が来院時にはない場合、何らかの特徴がないか問診、触診、視診を行っていきます。

まず問診を行ったうえで、身体の状態を知るために腰、股関節の可動域を確認します。立位の状態で特にどこに引っかかりや違和感、制限は特になし。臥位の状態では右よりも左に股関節と体幹を捻った際に若干の引っかかりがあるとの事。肩も左を上に上げるのがなんとなく突っ張るとのこと。

次に、腰から足にかけて軽く触診して押していきます。すると腰が後ろに反っているいるという事、L4、3あたりの横の筋肉に圧痛があるという事、臀部の筋肉の緊張がある事などが分かりました。

その後施術を行います。臀部と背中、腰部の筋肉に※「俺式然等尺性収縮」を行いました。※簡単にいうと患者様自身の力を使って深部の筋肉を緩める施術法。それにより、臥位での体幹股関節部の捻り動作は左右差がなくなり、ひっかかり感が解消した、肩挙上時の左右差も解消されたとのこと。(背中の筋肉は腰にもつながっているが肩にもつながっている。そのため背中の筋緊張からくる肩の症状であれば背中を緩める事で解消する場合がある)

その後、圧痛があった部位および腰椎部に無血刺絡を行いました。

フレアー現象がまんべんなく見られたことを確認後、これで施術は終了し様子を見る事にしました。

二日後にもう一度来院頂きました。お聞きしたところ患者様は、朝の痛みが楽だったと仰っていました。今のところ臀部、背中を緩める「俺式然等尺性収縮」と腰椎および神経血管に刺激を加えた「無血刺絡」どちらが功を成したかははっきりとわかりませんが、そのどちらかあるいはその両方が症状解消に効果的だったと考えられます。

引き続き施術を重ねて、原因部位の明確化と共に再発防止に努めていきたい思っております。